【JPモルガン特集】トップ外銀、JPモルガンの全容はこれだ!|企業概要、特集、就活/転職特集、ビジネスモデル、これからの成長戦略など

Yusuke Kuroiwa By: Yusuke Kuroiwa | Posted: 2025/07/21

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JPモルガンの概要

JPモルガン(JPMorgan Chase & Co.)は、アメリカ合衆国に本社を置く世界的な金融機関で、投資銀行、商業銀行、資産運用、プライベートバンキングなどの幅広いサービスを提供しています。正式名称は「JPMorgan Chase & Co.」で、ニューヨークに拠点を構えています。

⚫︎設立: 2000年にJ.P. Morgan & Co.とChase Manhattan Bankが合併して現在の形に。その歴史は1799年に遡る複数の金融機関の統合による。
⚫︎事業内容:
・投資銀行業務(M&Aアドバイザリー、資金調達など)
・商業銀行業務(預金、ローン、クレジットカードなど)
・資産運用およびウェルスマネジメント
・トレーディングや市場関連サービス
⚫︎規模: 世界中で事業を展開し、総資産は約4兆ドルを超える、米国の「ビッグ4」銀行の一つ。
⚫︎特徴: ウォール街を代表する金融機関として知られ、企業や政府に対する金融ソリューションで強みを発揮。CEOのジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)は業界で影響力のある人物として有名。

直近の決算(2024年第4四半期および通年)

2024年1月15日に発表されたJPMorgan Chaseの2024年第4四半期および通年決算では、記録的な年間利益を達成しました。以下は概要です:

⚫︎純利益: Q4で140億ドル(前年比50%増)、通年で過去最高を更新。
⚫︎売上高: Q4で437.4億ドル(前年比10%増)、通年で2,789.06億ドル(前年比16.49%増)。
⚫︎主要要因: 投資銀行手数料が49%増(24.8億ドル)、固定収入トレーディング収入が20%増(50億ドル)、純利子収入が予想を上回る234.7億ドルを記録。非利子費用が前年のFDIC特別負担(29億ドル)減少もあり7%減。

経済の回復とトランプ政権への楽観的な見方が追い風となり、特に投資銀行部門とトレーディングが好調でした。

セグメントごとの3年間の決算概要(2022〜2024年)

JPMorgan Chaseは主に以下の4つのセグメントで事業を展開しています:

  1. コンシューマー&コミュニティバンキング(CCB)
  2. コーポレート&インベストメントバンク(CIB)
  3. コマーシャルバンキング(CB)
  4. アセット&ウェルスマネジメント(AWM)

以下に、各セグメントの2022年、2023年、2024年の実績をまとめます。なお、全ての数値は年次ベースで、詳細な内訳は年次報告書(10-K)や決算資料から推定しています。

1. コンシューマー&コミュニティバンキング(CCB)

⚫︎概要: 個人向け銀行サービス(預金、ローン、クレジットカードなど)を担当。
⚫︎2022年:
・純利益: 約150億ドル
・売上高: 約550億ドル
・特徴: 金利上昇で預金コストが増加しつつも、クレジットカードや住宅ローンの需要が安定。
⚫︎2023年:
・純利益: 約170億ドル
・売上高: 約670億ドル
・特徴: First Republic Bank買収で預金基盤が拡大。利子収入が大幅増(純利子収入約200億ドル増)。
⚫︎2024年:
・純利益: 約180億ドル(推定)
・売上高: 約720億ドル(推定)
・特徴: 純利子収入がピークを迎えつつも、預金流出抑制と消費者支出の堅調さが寄与。

2. コーポレート&インベストメントバンク(CIB)

⚫︎概要: 投資銀行業務(M&A、債券・株式発行)とトレーディングを担当。
⚫︎2022年:
・純利益: 約110億ドル
・売上高: 約450億ドル
・特徴: 市場のボラティリティでトレーディング収入が堅調も、IPO低迷で投資銀行手数料が減少。
⚫︎2023年:
・純利益: 約130億ドル
・売上高: 約520億ドル
・特徴: トレーディング収入が安定、投資銀行業務が回復傾向に。
⚫︎2024年:
・純利益: 約160億ドル(推定)
・売上高: 約600億ドル(推定)
・特徴: 投資銀行手数料が急増(Q4で49%増)、固定収入トレーディングが20%増と過去最高水準。

3. コマーシャルバンキング(CB)

⚫︎概要: 中堅企業向け融資や商業不動産融資を提供。
⚫︎2022年:
・純利益: 約40億ドル
・売上高: 約120億ドル
・特徴: 金利上昇で融資収益が増加も、オフィス不動産ローンのリスクが顕在化。
⚫︎2023年:
・純利益: 約45億ドル
・売上高: 約140億ドル
・特徴: 地域銀行危機で競争が緩和し、顧客基盤が拡大。
⚫︎2024年:
・純利益: 約50億ドル(推定)
・売上高: 約150億ドル(推定)
・特徴: 安定成長も、不動産関連の貸倒引当金増加が懸念材料。

4. アセット&ウェルスマネジメント(AWM)

⚫︎概要: 資産運用と富裕層向けウェルスマネジメント。
⚫︎2022年:
・純利益: 約35億ドル
・売上高: 約180億ドル
・特徴: 市場下落で運用資産(AUM)が減少、手数料収入が圧迫。
⚫︎2023年:
・純利益: 約45億ドル
・売上高: 約200億ドル
・特徴: AUMが約2.8兆ドルに回復し、プライベートバンキングが成長。
⚫︎2024年:
・純利益: 約50億ドル(推定)
・売上高: 約220億ドル(推定)
・特徴: 市場回復でAUMが3兆ドル超え、手数料収入が堅調。

全体のトレンドと分析

⚫︎2022年: 金利上昇が始まり、純利子収入は増加したものの、市場の不確実性でCIBやAWMが苦戦。総売上高は1,547.92億ドル。
⚫︎2023年: First Republic買収や利上げ効果でCCBとCBが成長。総売上高は2,394.25億ドルと54.68%増。
⚫︎2024年: 投資銀行とトレーディングの急回復でCIBが牽引。総売上高は2,789.06億ドルと16.49%増。純利子収入はピークに近づきつつあるとの見方も。



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