回答者の時間を無駄にするな!「良い質問」の4条件
会社説明会や面接で質問する機会が多くなってきたと思います。その際に、社員の方に質問をする機会があると思いますが皆さんは「良い質問」と「悪い質問」の違いが分かりますでしょうか。
私はコンサル→M&Aアドバイザーの経験を通じて、クライアントやステークホルダーにインタビューを多数行ってきました。その中で意識してきたのは「良い質問」をするということです。というのもインタビューするお相手は大体、経営陣や経営企画部長、財務部長、事業部長といった役職の方が多く時間が無い中で私のためにインタビューの時間を割いていただいるからです。何よりもクライアントからは多額のフィーをいただいているので、無駄な時間にお金を投下いただくのは大変申し訳無いという考えです。
最大効率で必要な情報を入手することが鉄則です。
というわけで「良い質問」の条件はこの4つです。
1 聞きたいことが明快(疑問点)
2 調べても分からない内容(疑問点)
3 考え抜いた仮説がセット(仮説)
4 回答を得ることで何をしたいのかが明確(目的)※必要性は必須
質問の場というものは、事前に練っておいた仮説を検証する場という前提を念頭に入れましょう。
注意点としては4つ目の目的に関する条件ですが、「必要性がある目的」に絞りましょう。例えば、福利厚生に関する質問をするとしましょう。福利厚生の情報を手に入れて一体どうするのでしょうか。思ったよりも福利厚生制度が不十分だとしてどうするのでしょうか。それは本当に必要な問いでしょうか。それ以外にも重要な質問はあるのではないでしょうか。
そして、「良い質問」のテンプレートはこちらです。この中に上記の1~4を当てはめれば墓穴を掘ってしまうことはまず無いでしょう。こちらも暗記をおすすめします。
「(目的)をしようと考えておりまして(仮説)という仮説があるのですが、〇〇様はどのようにお考えでしょうか。御社が開示されている資料には目を通しているものの、不勉強で申し訳ないのですが、何分(疑問点)が分かりかねるため差し支えの無い範囲でお答えいただけますと幸いです。」
最初は緊張すると思います。慣れれば、このテンプレの要素を満たしたままより柔らかい印象で質問できるようになりますので実践を積み重ねましょう。
これは就活だけではなく、今後コンサルや投資銀行に行かれた際に実務でも使えるノウハウです。実際に私もインタビューの実務で使用しておりました。ぜひこの機会に暗記しましょう!
一発退場!面接に呼ばれなくなる恐怖の「悪い質問」
では、悪い質問とは何でしょうか。
基本的には先程の「良い質問」の裏返しになるのですが、一言で申し上げると「質問すること自体が目的になっている質問」です。
例えば就活生の皆さんはこんな質問をしていませんか?
「仕事のやりがいは何ですか?」
「御社の強みは何ですか?」
「御社のコア事業は何ですか?」
「一日のスケジュールを教えて下さい」
「福利厚生にはどんなものがありますか?」
「御社の理念は何ですか?」
就活生の気持ちとしては「質問をして目立ち、人事に名前を覚えてもらわないと!」といった感じでしょうか。残念ながら先走りすぎて質問すること自体が目的になっていますね。こういった質問をしても人事の記憶に残らないですし、残ったとしても、名前と一緒に「浅い質問をしてくる就活生」という印象もセットに記憶されてしまいます。絶対に避けましょう。
やりがいや理念といった抽象的なことを聞いてどうするんでしょうか。コア事業や強みなら、会社のHPの採用ページやIRページに書いてあります。就活生は志望企業のサイトを読み尽くすことくらいのことはすべきですので、デスクトップリサーチで取れる情報は取っておくのが基本です。